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札幌高等裁判所 昭和44年(行コ)3号 判決 1969年8月13日

札幌市南一条東四丁目七番地

控訴人

遠藤勲

札幌市大通西一〇丁目

被控訴人

札幌中税務署長

清水正次

右指定代理人

岩佐善己

斉藤祐三

大熊正丸

梶川正徳

笹谷幸三

今井一次

永谷卓

平岡孝吉

右当事者間の課税処分取消請求控訴事件につき、当裁判所は次のとおり判決する。

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

控訴人は、「原判決を破棄し、本件を札幌地方裁判所に差し戻す。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴代理人は、主文第一、二項と同旨の判決を求めた。

当事者双方の事実上の主張ならびに証拠の提出・援用・認否は、次に付加するほか、原判決の事実摘示と同一であるから、これをここに引用する。

控訴人は、当審証人藤森波次の証言を援用し、乙第四号証の一、二(原審において提出ずみ)および同第五号証の成立を認め(第五号証については原本の存在を含む。)、同第六号証の成立は不知(ただし、同号証の図面のうち、玄関とあるのは勝手口であり、応接室北西側の小路には東西に木戸が設置してある(常時閉鎖している。)と訂正付加するほか控訴人方建物の状況が図面記載のとおりであることは認める。)、と述べた。

被控訴代理人は、乙第五、第六号証を提出し、当審証人永谷卓の証言を援用した。

理由

当裁判所も、控訴人の本件訴の提起は、行政事件訴訟法第一四条に定められた出訴期間を経過した後になされた不適法なものと判断する。しかして、その理由は、次のとおり付加するほか、原判決の理由説示と同様である(ただし、原判決四枚目裏六行目と五枚目表八行目に、それぞれ「昭和四三年」とあるのは、「昭和四二年」の誤記と認め、そのとおり訂正する。)から、これをここに引用する。

当審証人藤森波治の証言をもつてしても、本件裁決書が昭和四二年一一月七日書留郵便により控訴人方に送達されたとの認定、ならびにこれによつて控訴人がその頃右裁決のあつた事実を知つたとの推認を覆えすに至らず、そのほか控訴人が本件裁決の事実を知つたのが、右七日頃であるとする認定を左右するに足る証拠はない。

しからば、控訴人の本件訴を不適法として却下した原判決は相当であり、本件控訴はこれを失当として棄却すべきであり、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第九五条、第八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 原田一隆 裁判官 神田浩三 裁判官 三宅弘人)

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